2020年11月8日(日)多摩市一ノ宮/小野神社

小野神社:東京都多摩市一ノ宮1−18−8

今日は、普段は非公開の都指定有形文化財・彫刻の「木造随身倚像(ずいしん いぞう)」が年一度特別公開されるということで多摩市一ノ宮にある小野神社に行ってきました。
小野神社は正式には「武蔵国一之宮 小野神社」だそうで、私の家から徒歩30分程のところにあります。
一之宮とは、国内における神格の格付けで、国内第一の鎮守という意味です。
また、ここでいう随身像とは、神を警護する近衛の像をいい、倚像(いぞう)とは、両脚を前に垂れて椅子や台座に腰を掛けた姿の仏像をいいます。

  武蔵国内にはこの一之宮小野神社を筆頭に、二之宮小河神社(現・二宮神社:あきる野市)、三之宮氷川神社(さいたま市)、四之宮秩父神社(秩父市)、五之宮金鑚(かなさな)神社(児玉郡神川村)、六之宮杉山神社(横浜市緑区西八朔)が編成されています。
国司が任国に赴任した際には、国内の主要な神社を参拝したとされており、武蔵国の6つの神社もそうした神社でした。特に一之宮は、国司が最初に巡拝したと考えられます。
武蔵総社・六所宮(現・大国魂神社:府中市)の境内には、この6つの神社が祀られています。六所宮の例大祭(くらやみ祭)では、境内に祀られている一之宮から六之宮の神輿が出御し、かつて6つの神社が六所宮に集結したようすを残していると思われます。

大鳥居をくぐると隋神門があり、その先に拝殿があります。
社殿、大鳥居、隋神門、賽銭箱、神輿などには菊花紋章(十六菊の紋章)が取り付けられています。

大鳥居、隋神門、その先に拝殿。大鳥居、隋神門には菊花紋章(十六菊の紋章)が確認できます

隋神門を抜けると右手に建屋があり中に「木造随身倚像(ずいしん いぞう)」が左に古像、右に新像の2体安置されていました。

左:古像、元応元年(1319年)作で寛永5年に修復   右:新像、寛永5年(1628年)作

 随身像とは、日本古来の神道の神々の像のひとつです。本来、神道は偶像を持たないのが普通で、石や鏡などを御身体としてしていましたが、8世紀頃から神仏習合の思想により仏像にならって神像が作られるようになりました。
 古い方の1躯は総高74.5cm。挿首内や胴部の内側に墨書があり、元応元年(1319)因幡法橋応円の作であり、小野神社造立当初からこの社に安置されていたものと考えられます。その後寛永5年(1628)鎌倉仏師大弐宗慶により修復された際に新しい1躯(総高52.3cm)も制作されたものと考えられます。
 どちらも檜材、寄木造、胡粉地に彩色が施され、頭部は挿首、玉眼。昭和50年(1975)に2躯ともに修理されています。室町時代以前の随身像は、都内では資料が少なく貴重な文化財です。          (出典:東京都文化庁)

随身倚像が安置された建屋の隣りには神輿、大太鼓などの保管庫があります。立派な神輿と大太鼓は、例大祭などでお出ましになります。
一通り見学後、拝殿でお参りして帰宅しました。

神輿(昭和10年作) 大太鼓(昭和56年建立)
拝殿

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